ベトナムの人々のこと
二週間のベトナム滞在。
出会った方々はシャイで親切な方が多く、当初のベトナムのイメージはかるく覆されました。
タイ、ラオスと変わらず静かな笑顔で接してくれる方々。
ありがとう。
カナダ国籍のサイゴン生まれのサイゴン育ちの方と(75年の終戦と同時にカナダに亡命。当時二十歳)
知り合って話をする機会があり、彼曰く
「ベトナムは南北に長いだろう? ベトナムコーヒーを作るときどうする?
一番下にシュガーと氷、その上にコーヒー、その上にミルクだ。南はスイートで爽やかなんだよ。
北に行くに連れて少しずつスイート イズ ゴーン になるんだ。
僕自身ダナンに行くと言葉も通じない事もあるし文化も違うし混乱するよ。
ハノイなんてまるで異国。」
だそうで、ベトナムは地域によって気質があからさまに違うようだった。
コーヒーに例えるメタファーもベトナムでは有名な話だそう。
まあ、北部の人はまた違ったことを言うのでしょうが。
人を二分する時、言語の用い方をどうしているかで計ることができると思う。
主として他者とのコミュニケーションツールとして言語を使う者と自省的に言語を使う者。
ちょっと大雑把だけど、わりと人となりが見えてくるような気がする。
ペシミスティックな訳じゃあない。
一般に前者は物を深く考えない傾向にあって、後者は訥々と沈思するように感じる。
私には前者は世間の動向の方に注意が向かっていて、後者の方がなんとなくロンリーで重そうだなぁ~という印象。
擦り切れそうなものを抱えながら涼しい顔をして生活しているのは皆、似たようなものだ。
当事者意識の高低差なのかもしれない。
現代南ベトナムで私がぼんやりと感じたことは他のインドシナの国々と比較して(大雑把にシャムもビルマも入れる)
言語を内省的に使う人民が多いということ。
果たして書店も周辺国と比較して多く「察知力」とか、いわゆる「空気を読む」という力が日本人並みに強かった。
工場などの生産ラインの不良品率も1パーセント以下と日本やドイツ並みなのだそうで国民性も似ている部分があるからとても頼もしい。
挨拶の言葉も知らなかったので何を言うでもなく、ニヤニヤと頭を下げるとホンワリと微笑んで会釈してくださる。
居心地が良かったのもこの人民の気質からくる側面が食事やアオザイの美しさにも増して大きかった。
by barrameda
| 2015-03-25 10:47
| asia
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