夜を乗り越える

「多忙」とか「忙しい」と好んで口にする人々が全く忙しくないのは
世界中の誰もが知るところで、この人は忙しそうだ… と思う方々は概して「忙しい」とは口にせず
ひたすらに能動的休息を取る事が上手く出来ている印象です。
日々に流されている方がホメオスタシスというか、疲れは溜まる一方だけれども億劫にはならずに済み、
ボカーンと休む方が一歩前進する力を多少なりとも要する。
「仕事が…」「会社が…」というのが格好の理由づけになりうるので
我々日本人は「よっしゃ、休む」とスイッチを完全に切ってしまう方が出来難い傾向にあるのかも。

そんな訳で私もどうにもこうにも怠い日々が続いた後、発熱〜発疹という典型的な疲労の蓄積から久しぶりに
大きくダウンしました。
ここで小さなお休みだけで日々の労苦をうっちゃってはいけない。
自分の身体との対話を疎かにしてはならんのです。
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発疹がおさまってから、スイッチをパチンと切って10日程いつものプラチュアップキリカーンで静かに過ごして来ました。
無為に、ひたすら非生産的に。
考えた事といったらエビの炭火焼の量程度のことで、今回はバイクを借りてプースカプースカあっちに行ったり
こっちに行ったりというのも止めました。自転車に乗るのも止め。
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当初、住み慣れたノンカーイに行こうかと思っていたのですが、イサーンまで行く気力が出なかった。
けれどもそのおかげか、宿ではプラクルアン狂いのフランス人女性や
京都から来てタイ中を旅しているお爺さん(プラチュアップにはもう15年程通っているのだそうで、大いに盛り上がった)、
ノンカーイ出身で娘が大阪に住んでいるおばちゃん等3人と連日面白おかしく時間を共有することが出来ました。
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ジョークよりもカオトム派に。
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妻と子らはエアコン・テレビのある別棟へ。
私は新建材で出来た部屋よりは三畳程の築100年の木造部屋の方が深く眠れるので、迷わずこちら。
フランス人(プラクルアン狂い)、京都お爺ちゃん、ノンカーイお婆ちゃんは三人とも木造部屋でした。
フランス人(プラクルアン狂い)の女性も片言の日本語が話せたので(ノンカーイお婆ちゃんは元旦那が日本人なので当然日本語を話します)、トイレ風呂が外で共同だったこともあり朝6時半頃に皆いそいそと起き出して来て「オ!オハヨウゴザイマス」と挨拶をするのが日課となりました。
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少し前に知人が急性心筋梗塞で仕事中に倒れ、休むべき時はじっくりと休まなくては物事は何一つ好転しないという
現実を甚く突きつけられたのが、静かに休養しようと思い立った理由であります。
何かに目を逸らし一見活動的に行動していた方が楽ではあると思うんですが、
全ての人間の死亡率が100%なわけで時には相応の行動をとらなくてはいけないのかも。
こういうの、ほぼ全て包括して諭してくれるものは早朝の草木、朝露、風とかそんなものではないかと思うことがあります。
あ、私が歳とっただけか。


神戸の芦屋に程近い立地に3階建ての一軒家をボっ建てて、
連日フラフラになるまで業務という日々を送っており、倒れる少し前も「何の為に生きてるのか解らへん」という
メールが来たばかり。
物腰が柔らかく気遣いの人で毎月僅かな小遣いを奥方から貰い、気が向いたら洋服や靴を買う事がこれといった楽しみの
53歳。
幸いカテーテルで血栓を飛ばせたので命は取り留めましたが、自らデザインを練った門から玄関に続くピカピカの階段を
自力では上がれなくなってしまいました。

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人生は時間のことだから、そうなる前にそこまで悪くなる前に様々手放して軽やかになるべきだったのでは。
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山の上の寺院まで。猿と暑さとのたたかいです。
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屋台のスルメを買い込んで海岸通りまで出て、雑貨屋で量り売りの葡萄酒を買い求め
スルメを肴に3、4杯ひっかけて早々と寝ます。
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怠惰に無為に静かに過ごそう、と思ってはみたもののなかなか難しいです。


by barrameda | 2018-11-23 10:07 | viaje


頭の中は夢がいっぱい。


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